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図面は少しあいまいな方が良いです。

お客様や仲間の方々、ブログ読んでくれているみたいでうれしいです!

今日は「図面」のお話。銘板はどちらかと言うと最重要部品ではないので、曖昧に書かれることが多いです。機械加工品であれば、0.01~0.05mmくらいの公差を要求されることがありますが、銘板だと一般公差、±0.2くらいで書かれることが多いし、±1.0とか。それであれば絶対大丈夫です(笑)また書体や文字の大きさなども結構曖昧で、こちらで作成しやすい図面が多いです。

ごくたまにですが、かなりきっちり書かれているものもあります。例えばシールの材料がメーカーの型番まで書かれている場合があります。そうなると、そこのメーカーの材料の取り扱いが無ければ製作はできません。(※相当品と一言入れてもらえれば大丈夫ですが。「相当品」はマジックキーワードですね(笑))あと、書体の指定も。。。当社で持っている書体であれば、指定して頂ければとても助かります。あれ、図訂前、どの書体だったっけ、、と探す必要もなくなります。逆に、他社様で製作したもので書体の指定があると、その書体が無いととても困ります。「ゴシック体」などと書かれているとデザインや寸法にあった書体が選びやすく助かります。

ご発注元は、例えば製作メーカーが変わっても同じものが作られた方が良いので、細かいところまで指定した方がリスクが低い。作る側からすると少し曖昧な方が、その時の情勢(在庫している材料や今使っている設備)を考慮した製作方法が提案できます

とても昔の図面で材料の型番が指定されているものは、その材料が廃盤になっていることもあるので、結構、説明が大変です。材料変わっても品質は変わらないですから!と言っても心配になる設計の方もいらっしゃいます。なので、出来れば材料の型番まで指定せず、PET、ポリカ、など一般的な材質で指定して頂けると助かります。ここ数年、材料メーカーも廃盤をバンバン出していますので。

過去一番驚いた図面は、外観検査の基準で、「〇〇㎠四方に0.2mmのブツが〇〇個以上入ってはならない」などの記載が・・・。ていうか、そこまで検査するのですか。。当社は全数検査ですが、さすがにそこまでは見ません。クリーンルームで製作しない限りブツ=0は不可能なので、外観上、問題が無ければ良品とします。そのお見積りは辞退しましたが。。全数検査していますので、ゴミの不良での返品はほとんどありません。(※0ではありません。。すいません。。)

きっちり書かれている図面でも、説明すれば変更して頂けることがほとんどです。例えば、エッチングでSUS304を0.5mm以上彫る、などと指定される場合がありますが、そこまで彫るの大変です!エッチングだと大体0.2mmくらいです。十分凹んでいますよ!!説明すればほとんどの方はご理解頂けます。また、エッチングでよくある表現が「磨き」。磨きは鏡面です、という場合もありますし、ヘアラインの研磨で良い、という場合もあります。機械銘板がピカピカに光ったら見ずらいと思います、個人的に。なので、当社ではすべてヘアライン仕上げです。(※ロゴプレートや看板では鏡面仕上げはあります。)とても昔に書かれた図面で、文言だけが残ってしまう場合もありますし、設計者がそこまで意図しない場合もあります

ただ、最近、材料の不正などで、図面とは異なる材料や加工方法で製作すると問題になることがあります。もちろん十分気を付けておりますが、昭和の時代から続く製品などですと、今はそんな加工方法出来ないし、、、というものもあります。その時の担当者同士で了解得ているものも多数ありますし、すべて書面で残ってはおりません。あと、他社様で作成していたものを引き継ぐ際、現物と図面が相違することがとても多いです!もちろん私は担当の方へ伝えます。結局は「現物と同じ方法で」で落ち着きます。そうなると図面は何・・と思ってしまうことも。

図面と同じ方法でなければならない!という方もいらっしゃいますし、図面と違っていても今まで通りで!という方もいますので、たまに混乱しますね(笑)結局はご担当の方にどのように説明するか、になりますが。最終的には人と人との関係ということでしょうか。今更、過去のものをすべて図訂するのは大変な労力ですので、私も頃合いみて相談しています。うん、やはり少し曖昧な方が良いです(笑)

一番当社にとってうれしい図面は「メーカー:谷田部銘板製作所」と入れてもらえることでしょうか(笑)転注のリスクが減りますので(笑)