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日本と中国の製造業の違い

先日、中国でモノづくりをされている会社様とお話をする機会があり、日本と中国の違いについて色々質問しました。忘れないためにも、ここの記事にします。

まず、日本人として残念なのですが、現状、中国の方が先を行っているのは間違いない。それは設備だったり、納期対応だったり、価格だったり。ほとんどすべての面においてです。なぜ中国の会社に依頼するのか?それは価格面でももちろんですが、納期対応もしかりです。品質も問題ないレベルまできています。中国製=粗悪品と信じてあぐらをかいている人たちがいたらそれは大間違い。すでに追い越されていますよ。

例えば、日本ではまだ職人の手作業で行う作業も、中国では画像認識など最新の設備を入れて機械で作業している。日本で職人が作ると同等の品質を保っているし、とにかく早いそうです。設備自体も日本よりずっと安く導入できる。いくら給料が上がっているとはいえ、まだまだ中国の労働力は安いから、個々の製品を作るコストも安い。その製品を製造する設備も結果として安く製造できます。だから設備投資も日本に比べると安くいけるのです。だからバンバン最新の設備を入れられる。

あと、ものを作る際のイニシャル費用が格段に安いそうです。いわゆる金型代です。銘板の金型代、簡単な抜型だって4~5万円はします。それが5000円くらいで出来るらしい。製品単価はそこまで違いが無いのですが、このイニシャル費用が大きい。銘板であればまだ差額は数万円ですが、成形型などですと数十万変わってきます。であれば、やはり中国で生産した方がずっと安いのです。

製品の大枠を決める成形品や鋳物を、初期費用の安さから中国で生産することになれば、それに付随する部品(銘板を含む)も現地調達になりますので、全体で国外生産に切り替わります。ただ、精度が必要なものなどどうしても日本国内で製作する必要がものは、中国へ支給して組み立てることになります。当社で製作する銘板は小さいものなので、当社で製作して中国に送るケースも結構あります。まだ恵まれていますね。

製品の種類によりますが、当社の価格、中国より安いそうです(笑)その理由は小ロット対応なんだと思っています。万、10万となれば中国の方が安いに決まっていますが、100、500、1000の単位であれば価格でもまだ勝負できるかも知れません。

今後、中国の会社と戦っていくには何が必要なのか?答えは出ませんけど、価格ではないでしょう。私が思うことは、大量生産はやはり追わず、国内に残っている仕事をどれだけ小回り利かせてやるか?です。すいません、現実的過ぎてつまらないかも知れませんが、現実問題、そうなってしまいます。つまり、中国企業とは戦わないのです。ロットが少なくてもやる、納期短くてもやる。「あ、数少ないね、やる気出ないよ。納期も無理です」なんていう会社は生き残れません。実際、そのような会社はどんどん淘汰されています。

こんな感じで世界を俯瞰してみると結構凹みますが、依頼される仕事はまだまだありますからあまり悲観的にならなくても大丈夫だと思っています。生き残りの道は必ずあるのであきらめないで前に進むことですね。